第1章 高圧ガスの出荷及び受け入れ作業時の事故
事故例Ⅰ タンクローリーへの充てん作業中の誤発進
| 発生場所 | 富山県 |
|---|---|
| 発生日 | 平成8年3月1日 |
| 事故の概要 | 液化塩素タンクローリー充てん場において、充てん作業中に運転手がタンクローリーを誤って発進させたため、タンクローリーに接続された充てん及び均圧の銅管が破損し、液化塩素及び塩素ガスが漏えいした。運転手が付近の作業員に助けを求め、作業員は緊急遮断弁を作動させるとともにバルブを閉め、漏えいを止めた。 漏えい直後にガス漏れ警報器が作動した。また、作業員が石灰を散布し、除害した。 |
| 被害の状況 | ・付近住民からガス臭の苦情 ・タンクローリーへの接続配管の破損 |
| 事故の直接的原因 | 充てん作業員から充てん作業が終了した旨の伝達を受けた後、タンクローリーを発車させることになっていたが、充てん中であるにもかかわらずタンクローリー運転手は、充てん作業が終了したものと勘違いし発車させた。
![]() |
| 事故の状況から推定される事故の誘因及び問題点 |
|
| 事故防止対策 |
|
| 事故の教訓 | 人の行動は常識を超える。二重、三重の誤操作、誤判断防止対策を。 |
事故例Ⅱ タンク車への充てん作業中の誤発進
| 発生場所 | 富山県 |
|---|---|
| 発生日 | 平成11年12月20日 |
| 事故の概要 | 工場内の液化アンモニア充てん所のタンク車(25t積み)充てん設備において、液化アンモニアの充てんを開始した。 タンク車への充てんを一時停止し、タンクローリーへの充てんに切り換えた。タンクローリーへの充てんが完了したため、再びタンク車に充てんを開始した。 タンク車への充てん中にタンク車が動き出したため、接続中の2インチフレキシブルホースが断裂し、タンク車側と充てん設備側からアンモニアが洩れた。充てん設備側とタンク車側の緊急遮断弁を閉めて、アンモニアの漏えいを止めた。 |
| 被害の状況 | ・付近住民からアンモニア臭の苦情 ・充てんフレキシブルホースの破損 |
| 事故の直接的原因 | タンク車への充てん中に、タンク車を動かしたため。
|
| 事故の状況から推定される事故の誘因及び問題点 |
|
| 事故防止対策 |
|
| 事故の教訓 | 危険は作業境界に潜むもの。 |
事故例Ⅲ コンテナ車への充てん作業中のフルオロカーボン噴出
| 発生場所 | 大阪府 |
|---|---|
| 発生日 | 平成10年8月19日 |
| 事故の概要 | 代替フロンを出荷するために貯蔵タンクとコンテナ(容量6.5t、トラックに搭載)の間にステンレス製のフレキシブルホース(口径50A、長さ5m)を接続して、追加充てんしようとしたところホースが破裂し、作業員2名が負傷した。充てんはコンテナの液面計を見ながら行い、満液状態近くなったので別の場所にあるトラックスケールで計量するため充てん作業を一時中断した。残りの代替フロン0.2tを追加充てんするためフレキシブルホースを抱えた時に発生している。作業を中断した間に(約20分)気温の上昇によりフレキシブルホース内が液封状態となったため、経年劣化していた箇所が破断したものとみられる。 |
| 被害の状況 | ・作業員2名の負傷 ・フレキシブルホースの破損 |
| 事故の直接的原因 |
|
| 事故の状況から推定される事故の誘因及び問題点 |
|
| 事故防止対策 |
|
| 事故の教訓 | 危険は作業境界に潜むもの。 |
事故例Ⅳ タンクローリーからの受け入れ作業中の塩素ガス漏えい
| 発生場所 | 埼玉県 |
|---|---|
| 発生日 | 平成12年4月21日 |
| 事故の概要 | 浄水場の職員2名(うち1名は、作業研修中。)と液化塩素タンクローリー運転手の計3名で液化塩素受け入れ作業を行っていた。操作マニュアルに従い受け入れ導管のエアーパージまでは職員2名で同一作業を行っていたが、その後の受け入れ導管を接続してガスリークテストを実施するための作業を、マニュアル手順と異なり、2名は別々に手分けし並行して作業を行っていた。 1名の職員は、自分が接続を終わったので、他の1名も接続が終わっていると思い込み、リークテストのため受け入れ配管の入口弁を開けたが、接続が終わっていなかったローリー側から塩素ガスが漏えいした。 塩素臭で漏えいに気づいた職員は直ちに入口弁を閉めるとともに貯槽側の緊急遮断弁を閉じ、運転手と職員は屋外に避難した。漏えいした塩素ガスにより職員2名が軽い中毒にかかった。 参考: リークテストの方法は、①実ガスを通して実施、②空気を通し実施、③窒素ガスを通し実施など、受入設備による違いがある。 |
| 被害の状況 | ・職員2名ガス中毒 |
| 事故の直接的原因 | 並行して接続作業をしていた他の職員が導管の接続が終了していないのに、導管の接続が終わったものと思い込み、受け入れ配管の入口弁を開けたため。![]() ![]() |
| 事故の状況から推定される事故の誘因及び問題点 |
|
| 事故防止対策 |
|
| 事故の教訓 | 教育は手取り、足取りで一人立ち。 |
事故例Ⅴ タンクローリーの異常発進による配管破損・漏えい
| 発生場所 | 熊本県 |
|---|---|
| 発生日 | 平成11年10月8日 |
| 事故の概要 | 機械工場の液体窒素貯蔵タンクに窒素を充てんするため、タンクローリーが到着し充てん停車位置に止まった。タンクローリー後部操作盤のエンジンスタートボタンが故障していたため、ギヤーをニュートラルとし、エンジンをかけたままの状態で運転手は下車し、後部操作盤で「クラッチ切レル」の操作を行った。充てん前準備作業中、運転手は、一度運転席に戻っているが、この時に、何らかの理由でギヤーが前進に入った。充てん前準備作業が終了し、後部操作盤の「クラッチツナグ」の操作を行ったところ、タンクローリーが異常発進し、約10m走行し、建物に接触して停車した。窒素配管を損傷し、窒素ガスが噴出、漏えいしたので、バルブを閉止し、漏えいを止めた。 なお、後部操作盤のニュートラルランプは球切れしていた。 |
| 被害の状況 | ・窒素配管、フェンス及び建物の損傷 |
| 事故の直接的原因 | タンクローリー後部操作盤のニュートラルランプが消えているのは、球切れのためで、ギヤーはニュートラルである(実際には、ギヤーは前進に入っていた。)と判断し、後部操作盤で「クラッチツナグ」の操作を行ったため、タンクローリーが異常発進した。
|
| 事故の状況から推定される事故の誘因及び問題点 |
|
| 事故防止対策 |
|
| 事故の教訓 | 小さな不良もすぐ修理、しばしの放置で大惨事。 |



