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第3章 その他の事故

 

事故例Ⅰ 出荷設備の流量計試験中のLNG噴出

 

発生場所 新潟県
発生日 平成12年9月13日
事故の概要 LNG基地でタンクローリー出荷設備の流量計精度確認試験を実施していた。ゼロ点調整試験を終了した後、装置の窒素パージを実施し圧力計で残ガスがないことを確認した。その後、端部の閉止版フランジを外したところ残液のLNGが噴出し、作業員の左手にかかり凍傷を負った。試験はタンクローリーの出荷時を想定し、試験装置をローディングアームに接続し、タンクローリーの接続側にはフレキシブルホースを取り付け、ゼロ点調整試験の時は、その先端に閉止版フランジを取り付けていた。
被害の状況 ・作業員1名負傷(凍傷)
事故の直接的原因 窒素パージした時、フレキシブルホースは行き止まり流路(いわゆる袋小路)となっており、垂れ下がったフレキシブルホース部に残液が残っていたもの。
事故の状況から推定される事故の誘因及び問題点
  1. 非定常作業時の作業手順不明確
    ・既存設備に試験設備をドッキングして行う非定常作業であるにもかかわらず、実液を使用する危険な作業に対する手順が明確にされていなかった。
  2. 教育不足
    ・保護具の着用や取扱い物質に対する教育が十分に行われていなかった。
    ・危険に対する感受性を向上させるための各種安全教育及び手法教育が十分に行われていなかった。
事故防止対策
  1. 非定常作業の作業基準書又は作業計画書を必ず作成し、工事や試験作業を行う場合の必要な作業(例:液抜き作業)を確実に行う方法、保護具の着用を明記する。
  2. 教育の充実
    取扱い物質に関する反復教育やKY活動の充実、確認運動(例:指差呼称、30秒運動等)の展開を図り、従業員の安全に対する感受性を向上させる。
事故の教訓 残液確認を徹底しよう!
   

 

 

事故例Ⅱ LPガス受入配管の破損による火災

 

発生場所 熊本県
発生日 平成元年4月1日
事故の概要 貯蔵基地において石油タンク建設工事に伴う基礎打込み作業をしていたところ、クローラクレーン(全高約30m)がバランスを失い転倒し、タンカーからのLPガス受け入れ配管の上に転落した。この転落により同配管に約20㎜の穴が開き、LPガスが漏えいした。 また、同時にクレーンの電線が切断され、発生した火花によりLPガスに着火した。
被害の状況 ・LPガス受入配管破損(穴開き)及び焼損 ・クローラクレーン損傷
事故の直接的原因
  1. クローラクレーンが機械トラブル等によりバランスを失い転倒した。
  2. LPガス受入配管が、転倒したクローラクレーンのブームが届く距離にあった。
事故の状況から推定される事故の誘因及び問題点
  1. クローラクレーンの点検・整備不良
    作業前にクローラクレーンの点検・整備が不十分であったため、機会トラブルによりバランスを失い転倒した。
  2. 作業前の危険予知不足
    クローラクレーン設置場所の地盤の固さや配管敷設状況等、作業環境に対する危険予知が不足していた。
事故防止対策
  1. 重機等のリース資器材については、点検・整備されたものが使用されるよう指導する。
  2. 作業前に危険予知を行い、クローラクレーン設置場所やその周辺の状況を十分確認し、地盤が軟弱な場合は鉄板養生を行うとか、高圧ガスや危険物の配管がある場合はその内部流体を抜き取る等の防護処置を講じる。
    なお、移動式クレーンの一種であるクローラクレーンについては、労働安全衛生法に基づくクレーン等安全規則で規制されており、作業開始前のクレーンの点検や地形及び地質の状態等を考慮して作業方法の決定等を行うことが義務づけられている。
事故の教訓 重機等の点検・整備は確実に!